昔ながらの
スパイダー・コイルを使用した入門用ゲルマニウム・ラジオ


部品セットは、こちらで数量限定で販売しています。   現在、準備中です。

昔からある蜘蛛の巣の様な スパイダー・コイルを使用したゲルマニウム・ラジオです。
品質の良い部品を採用しています。
ありふれた回路ですが、順方向電圧の低い高性能ロシア製 D311( ミリタリー・グレード )と
セラミック・イヤホンを聞きやすくする1:2のトランス( ET-30 )を採用しています。
巻き枠は2mm厚のアクリル板をレーザー加工し、巻いた後の曲がりも無くしっかりしています。
前後のパネルもアクリル製で穴あけ加工済みです。



部品セットをのんびり作っても、半日もあれば完成します。




部 品 セ ッ ト の 内 容

260PFポリ・バリコン 2.6mmネジ2本 
延長シャフトと2.6mm(長さ12mm)ネジ つまみ
3Pトグルスイッチ イヤホン・ジャック  
台湾製セラミック・イヤホン
ET-30( 山水 ST-30相当品トランス 50kオーム:12.5kオーム ) 
ゲルマニウム・ダイオード( ロシア製 D311 )
ターミナル 緑・黒   BNCコネクター・メス
セラミック・コンデンサ   1000PF
木板( 100 X 100 X 厚さ10mm ) アクリル・パネル1組 6P縦ラグ 巻き枠 
エナメル線 ( 仕上がり外径:0.4mm ) 20m   配線用リード線若干
ねじ( 木ねじ 5個   2.6mm皿ネジ2個   2.6mmX12mmネジ1個   3mmX8mmネジ 1個  
4mmX80mmネジ1個 )
ナット( 3mm1個   4mm3個 )   スプリング・ワッシャ( 3mm1個   4mm2個 )
座金( 3mm1個   4mm2個 )  L型金具




製 作 の 手 引 き
印刷された説明書は用意していません。 必要に応じ、各自でプリントしてください。


G R - K 1 型  基 本 回 路 図
スイッチでアンテナ・コイルのタップを切り換えて、分離が良い方で使用してください。
ダイオードは極性がありますが方向はどちらでも動作するので、極性を気にしないで半田付けしてください。
スパイダー・コイルは雰囲気を感じさせるアンテナ・コイルです。

組 み 立 て 手 順

ス パ イ ダ ー・コ イ ル      巻き枠 外径:110mm  内径:67mm   厚さ:2mm

巻き始め、タップ、巻き終わりは余裕を持って各15cm長く切ってください。
木板に取り付けてから最終的な長さにします。
半田の熱では溶けないエナメル被膜なので、半田付けの前準備として被覆の除去が必要です。
多摩川電線株式会社さんのホームページにはエナメル線の被覆除去方法についての資料があります。
参考にして被覆を除去してその後は半田上げしてください。
※お勧めは、カッターナイフで被覆表面を削り取るのが早いと思います。
    1周全体に銅色が見えたら、半田上げしてください。

http://www.swcc.co.jp/tamagawa/pdf/pro_8.pdf#search=%27エナメル線+被覆除去%27


コイルは2山毎に巻きます。
難しくはないけれど、少々面倒です。 少し力を入れて線がたるまないように巻いてください。
10分程度で巻けると思います。
従来のファイバー製の巻き枠では枠がゆがむことがありますが、アクリル製なので問題有りません。


最 初 に ア ン テ ナ 接 続 用 1 次 コ イ ル を 6 回 巻 き ま す 。
右巻き、左巻き どちらでもOKですが、1次、2次コイルは同じ方向に巻きます。
また、巻き始め、巻き終わりが分かるように印をすると良いです。
また、どの位置から巻いたか分かるようにテープで印を付けます。
1次コイルにタップを設ける場合、最初に巻いておかないと後から巻くことが出来ません。
タップは5回、8回など好みで巻いてください。


次 に 2 次 コ イ ル を 巻 き ま す 。
タップは 20回目、35回目に出します。   線は2本をより合わせます。 
巻数は1山、2山変わっても気にしないで、穴位置に合わせてください。



2 次 コ イ ル を 全 部 で 6 0 回 巻 い て 完 成 !
巻き終わりの線が抜けないように、巻き枠に接着してもOKです。
木板に仮留めして、線の長さを確認する事!  少し余裕を持って余分を切断。
エナメル被膜を先に除去してから、半田付けします。

ラ グ 板 の 配 線





トランスの足は左から2番目、4番目の端子に半田付けしてGNDとします。
上の画像と対比して見てください。


前 面 パ ネ ル


右:隙間が出来た様子
ポリバリコンのカバーは接着されていないので、隙間が出来てガタガタする事があります。
2,3箇所をセロファンテープで固定するか、隙間から内部に入らないように接着剤を使います。




後 面 パ ネ ル
  
ターミナルは緑:アンテナ 黒:アースを接続します。
BNCコネクターは中心:ターミナルの緑に、外側:ターミナルの黒に接続します。


  
抵抗などのリード線を利用して、ターミナルとBNCコネクター間を半田付けします。
備考:ラグ板、前後パネルをネジ留めする際、木板が柔らかめなのでネジを締めても空回りする事があります。
その時は、ネジを外しボンドやエポキシ系接着材を先端に少し塗りネジ留めしてください。


  
改造参考例:最後に改造品の画像あり
使用するアンテナによっては、1次コイルにタップを設けると良い場合があります。
この場合は、BNCコネクターの取り付け穴に3Pトグルスイッチを取り付けます。
穴が大きいのでスイッチのねじ締めには少し大きめの座金を用意する必要があります。
トグルスイッチ、座金は部品セットに含まれていません。  各自で用意が必要です。
タップは2回、4回くらいで試してください。
但し、後からタップを設けるのは困難なので最初からタップを設ける方が良いです。

木板に前後のパネルを取り付ける


ラグ板には最初からリード線を配線して方がやりやすくなります。
仮留めして長さを確認して半田揚げしましょう。



巻き枠を支持する4mmネジの取り付け位置を決めて木板に穴を明けます。
ワッシャ、座金でL金具を固定
し、3mmネジで巻き枠を固定します。


前方上から見たところ

もう少し凝ったゲルマニウム・ラジオにするならトグルスイッチを小型ロータリー・スイッチに変更して
コイルのタップを増やすのも良いと思います。
製作者自身が思い思いの回路で楽しめるのも醍醐味の一つと思います。
なにより、電池を使っていないので回路を間違えても、ショートさせても壊れないので気楽に作る事が出来ます。


アンテナとアースを準備しましょう。

ゲルマニウム・ラジオは電池を使わないので、電波を増幅する事ができません。
そのため、必ずアンテナとアースを使用しないとラジオを聞くことが出来ません。
( ホットスポットに遭遇できれば、アンテナが無くても良く聞こえる事があります。)



アース、アンテナが無い方は、この機会に用意すると便利です。

電灯線アンテナはお勧めしません。
理由は子供がいじったら感電の恐れがある、コンセント直結の場合はパソコンなどスイッチング電源のノイズが
混入して聞く事が出来ないなど・・です。
屋外に出てアンテナ線とアースを用意して聞くのも良いと思います。


ア ン テ ナ 側 に タ ッ プ を 設 け た 完 成 例


コイル巻き枠  外径:132mm    内径:80mm   ダイオード:1N69



アンテナ側に5回のタップ( 全体で8回巻き )を設けています。


ネジ部分にパイプを被せています。

改 造 例 その 2

  
1次コイル(アンテナ側)は6回巻いて1回毎にタップを出し、6接点のロータリー・スイッチで切り換えている。
また2次コイルは60回巻き、検波用に15回、25回目にタップを出している。
使用者毎にアンテナが異なるので、1次側にタップを多く設け検波用タップと相互に切り換えて最良の状態で受信できる。
限られたスペースで最善の改造例の一つになります。
BNCコネクターを無くして、ロータリー・スイッチとつまみを追加


好みのゲルマニウム・ダイオードに交換するのも良いです。
50 - 60年前に製造された物ですが、性能には問題ありません。 
歴史的ダイオードを使用したい方にお勧めです。



上から下に・・
1N69ガラス( 1955年製 )  1N69ベーク
( 1955年製 )     1N45     1N34A
ロシア製D311( セットに使用しているダイオード )  東芝 1N60

エア・バリコンと少し大きな巻き枠を使用
古い( 古そうな )部品を使った スパイダー・コイル式ゲルマニウム・ラジオ  試作品・その2


参 考 資 料

●クリスタル・ラジオ  https://en.wikipedia.org/wiki/Crystal_radio

●鉱石ラジオ   http://www.nihongo.com/aaa/chigaku/radio.htm

●アンテナとアース  http://ipsylon.jp/2016/09/09/crystal-set-8/


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