水 晶 振 動 子 の ペ ー ジ

水 晶 振 動 子( 水 晶 発 振 子 ) を 体 感 し て み よ う!

最 終 更 新 日   2020年 11月 24日

別冊 CQ ham radio QEX Japan誌 2020.11.19発売  No.37 に掲載されました。
C Q 出 版 社 C Q ハ ム ラ ジ オ 別 冊 Q E X J a p a n 誌

このページでは誌面では分かりにくい画像や、動画を紹介しています。

全国・電波ホットスポット探検隊 高橋隊長( マイクロ・パワー研究所・秋葉原店長 )との共著です。


水晶振動子から音が聞こえる? 10kHzの振動音を体験!    

は じめに

  水晶振動子( 水晶発振子 )はアマチュア無線家にとっても身近な電子部品の一つだと思います。
HC-6/u  HC-13/u   HC-18/u   FT -243などの呼び名で、外観も大きな物から小さな物までありますね。
   初めて目にする方も多いと思いますが、ガラス管に封入された可 聴周波数帯の水晶振動子が今回の主役です。
30-50年程前に製造され、今では製造されていない入手が難しい絶滅危惧電子部品と言えます。 
一見するとMT管、GT管の真空管に見えますが、中央に振動子があるだけなのでプレート、グ リッドはおろかフィラメントもありません。 



写真1  色々なサイズがある水晶発振子  
    左から HC-49S  HC-18/u   HC-6/u    HC-13/u   7ピンMT管サイズ  GT管サイズ



水晶振動子から音が聞こえる?

  今から10数年前にガラス管に入った10kHz振動子を手に入れ、発振回路を製作した事から始まります。
CMOS-IC(TC4069UBP)で簡単な回路を組み、オシロスコープで出力波形を確認 しようと机に置いたままにしていました。
机に背を向けて他の測定作業をしていたら、耳鳴りがしました。  体調が悪くなったのかな?と思いながら肩を動かしたり
首を左右に振るとキーンと言う音が大きくなったり小さくなったり・・・
   あれ?これは耳鳴りではないのかと振り返り、机の上を見ると発振回路が目に入りました。
もしやと思い水晶振動子に耳を近づけると、そこからキーンと音がしています。
   可聴周波数帯の水晶振動子から振動音が聞こえるのが確認出来た瞬間でした。
それまでは聞こえるとは思いもしなかったので、これがきっかけになって可聴周波数帯の水晶振動子に興味を持つようになりました。
水晶振動子から振動音が聞こえるよと話しても信じない人がいるので、いくつか製作サンプルを 作ってみました。

可聴周波数帯の 物は数十年前に製造終了になっており、マニア間のやりとりやオークションなどで入手するしかない入手困難な部品です。
単なる発振回路では無く発振するまでの過程を観測でき、振動音を体験するのが主目的なので出 力波形や精度については考慮していません。
   メーカーは振動音を出す目的で製造した訳では無いので、振動音の大小は製作後の運に任せるし かありません。
水晶振動子の動作原理などの基本部分には触れていませんので、気になる方は文末の検索サイトなどで見つけてください。   




写真2   振動音が聞こえる水晶振動子       左:10kHz    右:8kHz



製作した10kHz振動音テストセットの主な特徴は

1、視覚上の気分も盛り上げるためイ ルミネーションLEDを使用し、色彩が変化する。
2、数十秒後に10kHzの振動音が聞こえる。( 発振するまでの過程はオシロスコープを併用して観測できる。)
3、電源を切断しても、振動音が徐々に減衰する現象が確認できる。
4、オシロスコープでも観測できるように、出力端子を設置。                            


発 振 回 路 に つ い て

図:1実際に製作した全体 の回路図
注:DC9V( ACアダプター )の配線などは省略しています。

文末で紹介している日 本大学理工学部 作田幸憲先生の論文中の回路を参考にしました。
hfeの大きい 2SC1775Aが1本の発振回路で、抵抗4本  コンデンサ4本の簡単なものです。
※他には2SC3112Aまたは2SC3112Bでも動作します。

水晶振動子のピン接続は、ピン1+ピン6とピン3 または ピン1+ピン3とピン6の組み合わせを試します。
※メーカーによって内部の電極( ピン接続 )は異なるので、目視ないしは内部結線図での確認が必要です。

水晶振動子はロシア(旧ソ連)のMORION社製 10kHzを使用しました。   ※ 現在のMORION社はVCXO、OCXO等を製造しています。

製作される場合は 10kHzに拘るのでは無く、入手出来る周波数で試してください。
近所のOMさんに手持ちがないか尋ねるのも良いかもしれません。
振動音が聞こえるのは加齢 との相性もあるので、概ね10kHz以下がお勧めです。   

※ 2SC1775A データシート PDF

重 要! 内部電極の接続について



写真3   100kHz水晶振動子の中身    振動子の両面が2分割されています。 


私たちがよく使用する水晶振動子はほとんどが2端子ですが、今回使用した物は内部で接続されて3端子構造になっています。
振動体の構造から音叉型水晶振動子とも呼ばれています。

図2:  内部接続

作田先生の文献では端子ACと端子BDを一緒にし2端子とすることにより,通常の水晶振動子の等価回路と なると記載されています。
この方法で試すと発振はするが振動音が聞こえない物もいくつかあり、2端子にする組み合わせをA+B+DとCに変更して振動音が聞こえる
様になった物もありました。 振動音が聞こえない場合は、組み合わせを変えて試してください。

この回路と水晶振動子との相性かも分かりませんが、電源投入後すぐに発振を開始せず10 -20秒程度かかります。 
しかし、なかなか発振しな いのは回路に問題があると一言で片付けるのは早計です。
通常は電源投入と同時に出力が得られると思いますが、この遅延時間が思わぬ副産物を与えてくれました。
電源投入から徐々に発振するまでの様子を観測した
経験がある人は少ないのではないでしょうか。


10kHz以下の手持ちは、 9.6kHz   9.5kHz  8.192kHz  8.14kHz  6178.8Hz   5.6kHz  5.4kHzと何本かあるのですが、8kHz以下になると発振しなかった ので別の発振回路(図3: )でも試しているところです。
振動音だけを確認するだけなら、低周波ファンクション・ジェネレータか水晶発振器を分周して振動子に接続す る方法もあります。
その場合のドライブ電力は 徐々に上げていかないと振動体が割れてしまうので細心の注意が必要です。   

図3:   4096Hz用発振回路の一例


全 国・電波ホットスポット探検隊員の細倉さんに1台製作を依頼し、動作確認もお願いしました。
細倉さんの工作歴はUZ-8CQ(中波帯ループアンテナ)、3台目のゲルマニウム・ラジオを製作進行中で、電源を使う工作は今回が初めてです。
製作後はテスターとオシロスコープで波形などを観測してもらいました。
 ( 以上、高橋 )     


実際に製作してみました

水晶振動子から音がするという話を聞いたとき、水晶から音がするという意味が分からず興味を持ち ました。
水晶振動子とは何なのか?、そして音がする仕組みを知りたいと思いました。
音は振動ということは知っている、水晶を振動させるということもわかった。
水晶は鉱山から掘り出した天然の鉱物では無く、不純物の無い人工水晶を使うことも分かりました。
ただ、水晶をどう振動させるのか、(ガラスの中の振動がどう伝わるのか)が知りたくなり、製作に チャレンジしました。     



写真4 細長い氷砂糖みたいな人工水晶     これが水晶振動子になります。

村田製作所さん 人工水晶について https://www.murata.com/ja-jp/products/quartzdevice/synthetic/basic
シワード テクノロジー株式会社さん  https://www.siward.co.jp 人工水晶について PDF



写真5   基本部品はこれだけです! 

水晶振動子を振動させるための発振回路を作ります。
今回は共振周波数10kHzのガラス管封入型水晶振動子を使用します。   ※ 40年前に製造された物です。
水晶振動子はガラス管できれいにできているので、視覚上の気分も盛り上げるためにLED ライト
を仕込み、光らせることにします。    何でも楽しいほうがいいもんです。
後で測定器を繋げて周波数の波などあれこれ目視できるように、端子を設置しておきます。
あとはACアダプターのジャックとオンオフスイッチ、水晶振動子のソケットを設けます。
回路に使う部品は多くなく、20個くらいの部品からなります。



写真6   完成した発振回路  部品数が少ないので、平ラグ板を使用しました。


特に難しいことはありませんが、私と同じような初心者の方に、作業で得たアドバイスがあります。

@部品をラグ板の穴に差し込み、金属の足を折り曲げると希望の位置で安定しやすいです。

A部品の足を折り曲げてそのままにしておくと、他の部品をはんだ付けする際に意図せず繋がってしまいショートする可能性があります。
    はんだ付けを終えた部品の足は短くカットしておきます。

B一つの穴に複数の部品をはんだ付けする箇所があるので、その穴につながる全ての部品をセッティングしたことを確認してからはんだ付けをします。
   足をカットした後に間違いに気づくと作業の難易度が急に上がります。

C35V47μFの電解コンデンサの足に50V0.1μFのセラミック・コンデンサの足を巻き付けてはんだ付けをし、1つにしておきます。
    ( この部分はACアダプター用ジャックの裏側に取り付けたケミコンとセラミック・コンデンサの説明です。)

回路が完成したらビニル線でケースの各パーツに接続していきます。

以上のことを踏まえて製作すれば完成させられると思います。



楽しむワンポイント カラフル化!

視覚上の気分も盛り上げるため に、ソケットにイルミネーションLEDを仕込み光らせることにしました。
電圧を掛けるだけで簡単にイルミネーション化できるのは便利なLEDです。
何でも楽しいほうがいいもんです。


      
写真7      7ピン・ソケットの中心ピンを取り去る改造


ソケットの中央ピンを取り外し、電動ドリルの回転数を落として4mmま で拡げ3ΦLEDを収納しました。
中央ピンを外すのに意外と手間が掛かります。

※ φ3 砲弾型LED 7色自動変化  千石電商さん  https://www.sengoku.co.jp/mod/sgk_cart/detail.php?code=EEHD-00FP



写真8     水晶振動子の周波数表記が正面を向くようにソケットの位置を予め決めておく。
電源スイッチと緑色のLEDを追加、簡単な動作説明をシール にして貼っています。



写真9    後面は、ACアダプターのジャックだけ



写真10     裏面に回路部分を取り付け、表はスッキリ!
軽いと倒れる可能性があるので、金属板を貼り付けて重くしてあります。  底面にはアクリル板で底板を加工。



写真11     振動子が割れないようにカバーをしています。

※ケースはダイソーで売られているコレクションボックス ミニ( 169 X 85 X 100mm )に組み込んでいます。
製作時間はケースの穴開けを含めて2時間程度で完成しました。


  製作後、振動音の確 認に関して

  発振状態の確認は振動音を耳で聞くことが出来ますが、加齢により高い周波数が聞こえない場合もあります。
※子供は20kHz近くまで聞くことが出来るらしいが、年を重ねるにつれて高い周波数は聞こえなくなります。 
※ 参考文献2
その場合は、低周波域まで使える周波数カウンター、オシロスコープを併用すると便利です。
デジタル・テスターも1MHz程度まで測定できる機種があります。
使用したオシロスコープは69 X  88 X 25mmと小型・軽量で周波数測定もでき、簡単な実験には最適です。
30MHzとありますが、1MHzくらいから波形が小さく表示されるのでオーディオ帯用と割り切って使います。     

●サンワ PC510aで 周波数を測定中


写真12    完成後、テスターでキッチリ10.00kHzと表示されている様子


●小型オシロスコープで出力波形をモニターしている様子

※ あまり綺麗な正弦波ではありませんが、振動音は大きく聞こえます。
電源電圧を下げると綺麗な正弦波になりましたが、振動音も小さくなります。    


写真13    小型オシロスコープで出力波形をモニターしている様子    



写真14    電源投入直後から10秒ほど経過した出力波形      まだ変化は見られない。
                   スイッチをオンにすると、、、何も聞こえません。   LEDは点灯しているので通電はしています。



写真15    電源投入20秒ほど経過した出力波形       いよいよ発振を開始!



写真16    電源投入30秒ほど経過した出力波形      振幅が大きくなり、振動音が微かに聞こえ始める。
しばらく待っていると、少しずつ音が聞こえてきました。   屈曲振動が少しずつ大きくなっているようで す。



写真17    電源投入35 - 40秒ほど経過した出力波 形      最大出力になると振動音も大きく聞こえる
ある時点でほぼ安定して聞こえるようになりましたが、たまに音量が大小します。
音程は常に一定です。キーーーンという高くて細い、耳鳴りに似た音がしています。
※出力側の100kΩを小さくして負荷を重くすることで、発振開始までの時間をある程度調整ができます。   
 振動子から直接耳で聞く以外に、出力端子にセラミック・イヤホン(セラミック 振動体を含む)を接続してもOKです。
 但し、低インピーダンスのマグネチック・イヤホン系では負荷が重くなって発振を停止するので注意が必要です。


● 10kHz 電源投入から発振、振動音が聞こえるまでの動画 ここをクリックしてください。
     10kHzタイプを最初に製作した物です。


● 10kHz 電源投入から発振、振動音が聞こえるまでの動画 ここをクリックしてください。
    
私が掲載記事用に製作した物です。    本業が忙しくて、まだ撮っていません。

オシロスコープは電位の動きを波形として目視できる機械です。
発振回路の端子にオシロスコープを繋げて
発振回路に電源を入れます。
通電してすぐは音もせず、オシロスコープの波形も表示されません。
しばらくすると真一文字だった線がざわざわと動きだし、キーンという音もかすかに聞こえてきました。
そのまま音と波形は大きくなり、ある一定のところで大きな変化はなくなりました。
たまにキーンという音が大小するのですがその時波形に変化はありませんでした。
このことから水晶振動子は振動していることがわかります。
つまり、発振源以外の何らかの理由により聞こえにくくなっているというように考えられるのではないでしょうか。
(振動体は円柱ではなく長方体なので、面積が大きい面から音が聞こえます。)

音が小さくなる時、音の一部が封鎖されているように感じるため、やはりどこかに吸収されていると考えます。
私には私が聞いた音しか感じることができず、音の感じ方には個人差があるかもしれませんので、
音をどう感じるか、それにより何が起きていると考えるか、  実際に試していただきたいです。
発振回路の電源を切ると音はまもなく聞こえなくなり、それに比べて波形は少しずつ落ち着いていきました。
音を聞くだけでははっきりしませんでしたが、発振回路に電源を切断しても屈曲運動は余韻を残しすぐに停止しないことがわかります。

(但し、それほど長い時間ではありません。耳を近づけて体感出来ます。)
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● HC-13/uタイプ  8.000kHz小型版


写真18   HC-13/uサイズの8.000kHzを使い小型化。

この水晶振動子は2端子で扱いやすく、電源はLR44 ボタン電池を5個直列接続して7.5Vを得ています。
電池容量の関係で消費電力の大きいLEDは使っていません。

ガラス封入型10kHzと比べて発振開始時間は少し短いです。
振動音は小さめですが、ちゃんと聞くことができます。



写真19    電源投入直後から5秒程度



写真20    10秒ほどで発振の予兆が見えてくる



写真21    15秒ほどで徐々に出力電圧が上昇



写真22    20秒ほどで出力は大きくなり、振動音も聞こえるように

● HC-13/uサイズ 8.000kHz 電源投入から発振、振動音が聞こえるまでの動画
    クリックしてください。
      小さな音なのでケースに入っていて振動音はケースに耳を当てないと聞こえません。

     ↓これはおまけです。
● GT管サイズ 8.000kHz 電源投入から発振、振動音が聞こえるまでの動画    クリックしてください。
      小さな音なので聞きづらいと思います。

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他の応用例 分周して1秒毎(1PPS)にLED点滅させる
発振で得られた10kHzを1Hzまで10000分周して、1秒毎(1PPS)にLEDをピカピカさせる のも良いかもわかりません。

※ 10kHz = 10,000Hzなので10000分周すれば1Hz出力が得られる。

74HC390は1/10分周回路が2組入っているので、2個使用すれば1/10000になります。

※ 1 /10が2組なので1個あたり1/100分周に     2個使えば、1/100 X 1/100 = 10000分周に


今回は空きスペースが限られているので、10000分周をIC1個で得ています。   
使用したエプソン SPG8650O( 8650の次はゼロでは無く、オーです。)は 廃品種らしく入手困難になっていますので74HC390の使用をお勧めします。
10kHz出力は
SPG8650Oの入力最大定格電圧に収まるよう事前に確認してください。
最大定格電圧を超えるようなら分圧回路を入れるなどの工夫をしてください。
1Hz出力は680Ωを介して高輝度LEDに接続します。 LEDはパネルに取り付けるか、ソケット基部に取り付けても良いかと思います。
また4096Hzや8192Hzの水晶振動子ではバイナリ 分周するなど、使用する水晶振動子に適宜変更してください。
※SPG8650Oはピン接続を変更するだけで分周比が設定できる優れものです。 
   SPG8640シリーズは水晶振動子が内蔵されていて分周された周波数出力が得られます。SPG8650Oは分周回路のみです。

● 1Hzで点滅している動画    クリックしてください。
電源を投入すると電源LED( 赤 )とイルミネーションLEDが点滅開始します。
発振を開始するまでは1Hz点滅LED( 緑 )が点灯し、約30秒後に発振を開始すると点滅します。

● 10kHz振動音を中心に録画 ここをクリックしてください。



写真23    10000分周基板



図4  簡単な10000分周回路
注:DC9V( ACアダプター )からDC5Vへの降圧回路は省略しています。



10000分周回路の部品はこれだけです。


考察・疑問点

◎発振を開始するまでに時 間が掛かるのは何故か?
MHz帯の振動子などは振動体が薄くドライブを多く必要としませんが、10kHzの振動体は厚くて大きいために発振回路のドライブ電力不足と考えられるのでは無いでしょうか?

エプソンデバイスのサイトで推奨回路例が載っていますが、ドライブ電力は振動子に50mW 程度の電力を加えると破壊に至りますので、通常発振回路で使用される場合は、0.1mW 以下(最大で0.5mW 以下)をお推めしますと書かれています。
今回の10kHzでは厚みが2mm程度、長さは40mm程あり10mW位になっても破損はしないのでは無いかと思います。
ただ破損してしまうと替わりの予備が無いので、慎重に進める必要があります。
また、CQ出版社DWM誌( ※参考文献1 )には振動子の厚みについて詳細が書かれていますのでご参照ください。  


◎同じ10kHzでも振動音が聞こえない(または音が小さい)物がある。
オシロスコープでほぼ同じ出力電圧が観測できるのに振動音が小さい物があったが、違う人に聞い てもらったところ同じくらいの音量で聞こえると
言われた。  
10kHzは聞こえたが12kHzは聞こえないなら加齢が原因だろうと想像できるが、同じ10kHzで聞こえる物と聞こえない物が存在し、人により聞こえ方が違うのは謎が残る。  これは今後の研究課題です。    


最後に
耳鳴りのような高い音は10kHzの水晶振動子の音であり、一秒間に10,000回波が振れている振動 を聴覚で感じているということです。
ここまできても改めて不思議です。
今回の製作で周波数というものを少しだけ理解することができ、それにより「時間とは何か」について改め て考えることになりました。
子供と大人の夏休みの一日、楽しい1時間と辛い1時間、歩くのが早い人と遅い人の10分、寝ている時間 と起きている時間、
夜と朝、夏と冬、時間が過ぎる速さは全く違うように感じるのに、常に一定です。
それは現象により定められ、定められた中で現象を観察しているからかもしれません。
周波数の波(他に表現があれば、、「電位差の波」の方が正確か)が振れる空間は、夏と冬で一定
なのか、空中と水中と地中で一定なのか、日本とアフリカでは一定なのか、南極と北極と赤道では、
地球と月と太陽ではどうか、、、不思議な好奇心が広がる製作と実験でした。 (以上、細倉) 

最新の部品や技術を追いかけるのも良いですが、忘れ去られようとする古い部品の使い方を考えるのも面白いと思います。
アマチュア無線を長く楽しんでいる人に見せても、外観が真空管の様な水晶振動子は初めて見たと言う人が多いです。
ましてや振動音を聴いた経験がある人は極めて少ないと思います。
水晶振動子の動作を知る理科学教材として利用するのはいかがでしょう。


最終目標としてGPS同期時計で毎時の時報音を再現したいので、440Hzと880Hzの水晶振動子を入手できる情報をお持ちでし たら是非お知らせください。(以上、高橋)    


引 用 お よ び 参 考 文 献 な ど


●平成29年度 日本大学理工学部 学術講演会   日本大学理工学部 作田 幸憲先生の論文
      今回の製作ではこの論文に紹介されている回路を採用させて頂きました。
https://www.cst.nihon-u.ac.jp/research/gakujutu/61/pdf/M-9.pdf

● 水晶振動子や水晶発振子に関する参考資料    検索サイトで数多く見つけることが出来ます。

https://www.cqpub.co.jp/dwm/contents/0111/dwm011101050.pdf   ※参考文献1

http://www.sunfield.ne.jp/~oshima/omosiro/oto/kacyou.html    年齢別・可聴周波数の調査  ※参 考文献2

https://www.kds.info/technical-guide/oscillation-circuit/?mlang=ja   発振回路の検討方法について

https://www5.epsondevice.com/ja/information/technical_info/crystal/circuit.html    水晶発振回路について




※秋葉原にあるマイクロ・パワー研究所/東京ラジオデパート店では動作デモも可能です。
事前に希望日時を打ち合わせ後に行います。 
住所・氏名・電話番号を明記の上、info@mpl.jp までお問い合わせください。
定休日( 木曜日  祝日 )以外のAM11:00 から PM4:00までの間で5 - 10分程度
実施期間:2021年 4月 30日まで

理科学教材として若干の完成品を用意しています。
英国 Marconi社製 10kHz水晶振動子も数本あります。



101-0021 東京都千代田区外神田1-10-11東京ラジオデパート1F   マイクロ・パワー研究所
 
http://mpl.jp/vib/10k.html       マイクロ・パワー研究所   記事関連ページ


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