電 子 工 作 の ペ ー ジ

記事随時更新中 最終更新日:2021年2月20日
電波時計の信号(40kHz/60kHz) を 聞 こ う!

40kHz JJY受信機の製作記事の紹介です。
CQ hamradio誌別冊 QEX Japan誌 No.38  2021.2発売号に掲載されました。

40kHz JJY専用受信機の製作 その他



画像:1       今回製作した受信機で実際に受信し、受信確認証をもらいました。
受信日:2020年10月22日 確認証 Vol.2 No.222

その後、電波時計改造版受信機( 内部に発音回路を追加し、強制受信モードに改造 )で受信確認証 Vol.2 No.223が届きました。



画像: 2         自作したJJY専用受信機    
左:40kHz専用 右:Sメーター搭載40kHz/60kHz両対応




市販されている電波時計には信号音が聞ける機能はありません。
40kHz電波時計受信モジュールを利用した超簡単な受 信機を作りました。
簡単な工作なので、みなさん作って友達に自慢しましょう!



画像:3

は じ め に

標準電波を基に時刻修正を行う時計は40年以上前から利用されています。
今ではいろんなメーカーが特色有る長波、GPSを利用した電波時計を販売しています。
この記事は電波時計の時刻を修正する長波標準電波( 40kHz/60kHz )の信号を聞いてみようというものです。
この標準電波はJJYと言うコールサインでお馴染みですが、信号を聞くには40kHz/60kHzの長波帯をカバーしている通信型受信機やSDR受信機が必要です。
また、長波帯のアンテナも結構大がかりになるのではないかと思われる方も多いと思います。
そこで電波時計受信モジュールを使って、安価で簡単にJJY信号の音を聞くことができる受信機を製作してみました。
Sメーターも時刻表示部分も無い1秒毎のピー、ピー音と毎時二回のモールス音を聴く為だけの受信機です。
併せて電波時計が時刻補正が取れない場合に、横に置いて受信状況を補完するバー・アンテナも製作しました。

本機の主な特徴
●1秒毎のピー、ピー音と毎時二回のモールス符号を聴く為だけの受 信機です。
●受信した電波時計のタイムコード信号をオシロスコープで観測 できる端子付き!
※毎時15分と45分の40 - 48秒に呼出符号である J J Y がモールスで2回送信されます。
●60kHz用、40kHz/60kHz両用のモジュールでも同様に製作出来ます。
●応用例として電波時計の周辺ノイズや到来する伝播状態のチェックができます。





画像:4     Microtelecom 社 PERSEUS受信機で40kHz-JJY信号を受信している画像



画像: 5   モジュールのタイムコード出力をオシロスコープで観測
もう少し高級なオシロスコープで観測する方が見やすいけれど・・・
左から3,4つ目の波形はパルス幅が少し短い  右側:1秒毎にパルスが出ている


製 作 し よ う !

電波時計受信モジュールを利用して2時間ほどで製作できるJJY受信機です。
筆者は都内在住なので東日本向けの40kHz版を使用しましたが、西日本向けの60kHzでも同様の考え方でOKです。
また、40kHz/60kHz両対応の受信モジュールでも問題なく使えます。
このモジュールを入手出来るかが一番の肝になりますが、液晶が見えなくなった故障品から取り外しても良いと思います。

受信機にするには、電波時計モジュールは常時動作させなくてはいけません。
今回のモジュールではH端子に相当し、端子をGNDに接続しないと受信状態になりません。
( 機種により、POやPONの端子名になっている事もあります。)

40kHz/60kHz両対応モジュールでは、40kHz/60kHz切り換え端子があります。
バー・アンテナは1本なので、同調用コンデンサを切り換える事で両方に対応しています。
多くの機種で端子がLレベルの時に40kHz 、Hレベルで60kHzにしている様です。
※市販の電波時計は電池を装着すると受信を開始します。 JJY信号を捕らえるか、捕捉に失敗したらモジュールの電源を切断する様になっています。
    また、強制受信のスイッチにより再度受信動作になります。

ピー、ピーと1秒毎の音と毎時15分と45分に流れるJJYのコールサインを出すだけなので、発音回路に電子ブザーを使いました。

※圧電スピーカーは発音回路が無いので使えません。 簡単に済ますなら、迷わず電子ブザーを使いましょう。
モジュール出力(正論理)とLED,ブザー間にトランジスタ1石の駆動回路を入れています。

ブザーは3V動作でも結構大きな音がするので抵抗で動作電圧を下げるか、ブザーのケース穴をテープで塞ぐなりして音量を調整します。
欠点はブザーの発振周波数が約3kHzと高く、大きな音量では耳障りになる事です。   
普段はLEDだけにして、点滅が規則正しい時にブザーをスイッチでONにするのが良いです。
本来は800Hz付近の正弦波回路を出力信号でON/OFFして聞きやすくしたいのですが、誰でも簡単にと言う観点から今回は電子ブザーで
代用しています。
電子ブザーを購入する際は消費電流を確認しましょう。 小さくて便利だなと思っていたら電流が多く流れて電池は直ぐに無くなります。
音量は意外に大きいので、直列に抵抗を入れて動作電圧を下げると良いと思います。


画像:6        電子ブザー 村田製作所 PKB24SPCH3601

●電子ブザーの一例 村田製作所 PKB24SPCH3601
■発振周波数:3.6kHz(電源DC12V時)
■直径:24.3mm
■厚さ:9mm
■定格音圧:90dB(電源DC12V時, 10cm)
■動作電圧:DC 3.0~15V
■消費電流:1.8mA/DC2V時     2.8mA/DC3V時


画像: 7       部品はこれだけ


部 品 表

部 品 名
メ ー カ ー・型 番 な ど
購 入 先
そ の 他
電波時計モジュール
JJY-3850-40k  40kHz版   または MJU823RCC  40kHz/60kHz両対応版
または電波時計から取り外した物
aitendoなど

ポリカーボネートケース
117-M(PC)  94X64X22.6mm
秋月電子通商

両面スルーホールユニバーサル基板
P-12979  ( 2X8cm )
秋月電子通商
電子ブザー
村田製作所    PKB24SPCH3601   24mm
秋月電子通商
電池ボックス
単4x2本 リード線・フタ・スイッチ付  
秋月電子通商
ピン・ジャック
色は各自の好みで選ぶ
秋月電子通商など
3Pトグル・スイッチ
サトーパーツ、ミヤマなど
秋月電子通商など
単4電池
2本  アルカリ仕様 
秋月電子通商など
配線材料
色は各自の好みで 秋月電子通商など
ネジ・ラグ端子類
2mm径用


2SC1815など
NPNタイプなら何でもOK   各自の好みで 秋月電子通商など
LED
色と大きさは各自の好みで 秋月電子通商など
50kΩ半固定ボリューム
東京コスモス電機 GF063P B503Kなど
秋月電子通商など
オシロスコープ
出力波形を観測するのに1台あると便利です。






















表:1  使用した部品表




画像: 8   受信モジュール JJY3850-40k



画像:9    基板上の黒い部分に受信用ICが入っています。    左端上は40kHz水晶振動子


画像:10    ピン接続:裏側の印字部分に注目!
V・・+3V  G・・GND  P・・GND に接続  H・・VCC/+3Vに接続しないと常時受信動作しません。
T・・出力 / 負論理  無印ピン・・出力 / 正論理                        


画像:11         基本回路図



画像: 12       ケースに穴開け後、あらかじめ端子、スイッチを取り付けておく 


画像: 13       モジュール基板は蛇の目基板にスペーサに通してメッキ線で固定
配線時にバー・アンテナを取り外しておくとやりやすい。



画像: 14       端の穴を2mmに拡げて、電源取り回し用の端子部分にする   裏側部分



画像:15        表側の端子を単四電池ホルダーに接続



画像:16    完成した外観
電池ホルダーの電源スイッチを使用して省スペース化、トグル・スイッチは電子ブザーのオン/オフ切換  

※バー・アンテナはグルーなどの接着剤で固定します。

調整方法について
電波時計モジュールは完成品なので、調整箇所はありません。
モジュールから出力される信号を電子ブザーとLEDを駆動するトランジスタ部分だけです。
まずLED側に切り換えてLEDが暗くなる方向に半固定ボリュームを回します。
※この段階でLEDが規則正しく点滅しているようならOKです。
次にブザーをONにしてLEDとブザーがうまく連動する位置までボリュームを廻します。
この作業は何回か繰り返して決定します。
注意点として室内で作業をする場合は、ノイズや伝播状態により最適点が分からない場合が有ります。
出来れば、近所の公園や空き地などで調整をする方が分かりやすいです。
※実際に公園で試しましたが、平日だと近隣の会社が営業していたりするとノイズが多くなっている事がありました。
 早朝、深夜だとノイズの影響を抑えられると思います。

完成したら受信してみよう!

受信する前にバー・アンテナを送信所方向に合わせましょう。
方向が良く分からない場合は、おおまかに向けて少しずつ角度を変えて試しましょう。

東日本の40kHz  福島県田村市都路町/同双葉郡川内村境界の大鷹鳥谷山(おおたかどややま)山頂付近
西日本の60kHz   佐賀県佐賀市富士町/福岡県糸島市境界の羽金山(はがねやま)山頂付近

受信機と言っても、ピー、ピー音とモールス音が聞こえるだけです。
電波状況が悪い時( 電界強度が低い場合、周辺にノイズ源がある場合 )は正常動作にならず、LEDは規則正しい点滅になりません。
この場合はブザー音が耳障りになるので、LEDが規則正しい点滅になっているときだけスイッチで切り換える様にしています。

毎時15分40秒からと45分40秒から10秒間にJJYのモールス符号が聞こえます。

・−−−    ・−−−    −・−−        ・は短点 / ト    −は長点 / ツー
      J                J               Y

・−−−    ・−−−    −・−−           ・−−−    ・−−−    −・−−     この様に2回流れます。
      J                J               Y                         J               J               Y





画像:17     実際に受信している様子

実 際 に 受 信 し て い る 様 子 は 動 画 で ご 覧 く だ さ い 。 
※この動画を基に、受信確認証をもらいました。

ここをクリックしてください。 MP4形式  
受信日時:2020年 10月 22日 午前 7時 14分 32秒 -  午前 7時 16分 21秒まで 時刻は電波時計でモニター
※ 動画の容量を考慮してJJYモールスが入る前後1分を中心に撮影しています。

ここをクリックしてください。 MP4形式   

受信日時:2020年 10月 22日 午前 7時 17分 35秒 -  午前 7時 17分 45秒まで 時刻は電波時計でモニター
※ アンテナなどは同じ条件で、2台並べて撮影

夜に受信した動画  ここをクリックしてください。 MP4形式  

受信日時:2020年 10月 22日 午後 7時 44分 58秒 -  午後 7時 46分 12秒まで 時刻は電波時計でモニター
※ 動画の容量を考慮してJJYモールスが入る前後1分を中心に撮影しています。

受信地:東京都中野区

SINPO:55555

備考:信号強度メーターはありませんが受信動画の様に受信状態は信号強度も十分に有り、安定した受信状態にあると考えられます。
※信号強度が弱い場合は、出力波形が出ないか乱れたりします。

実際の受信状態からSINPOコードは、55555にしました。

信号強度/Signal Strength   混信/Interference   雑音/Noise  伝播障害 Propagation Disturbance  総合評価/Overall Rating




動 画 で 使 用 し た 受  信  機  材 に つ い て
● 40kHz専用受信機 電波時計モジュール 
JJY3850-40kを使用 単四電池2本で動作
※ JJYモールス音が聞こえるように発音回路を追加

● 15m高 アクティブ・アンテナ J-310 / 2N5109を使用 電源電圧:DC12V
● 40kHz専用アンテナ・カプラー ( アクティブ・アンテナなどと併用 )
● PIXEL NR525W   時刻確認用の電波時計
● 小型オシロスコープ DSO NANO PRO

※受信機として使用する場合は、外部アンテナとアンテナ・カプラーを使用して受信性能を確保しています。


完成したら受信報告書を出してみましょう。

受信を確認しました!だけでは駄目で、報告書の書き方の注意事項があります。
※一般に市販されている電波時計やe-mailでの報告は受け付けていませんので、注意が必要です。

報告書で重要なのはモールス符号が確認出来ることが重要で、通信型受信機の様に信号強度メーター( Sメーター )がなくてもSINPOコードでOKです。 
つまり、電波時計モジュールに発音回路(もしくはタイムコード出力をモニターできるか)が追加されていれば条件を満たすと解釈されます。
但し、モールス符号が確認出来る電界強度が確保出来ないと報告は難しいと思います。
製作した受信機は周辺ノイズがあったり電界強度が弱い場合には、正常なタイム・コードが出力されないのでモールス符号は確認出来ないことになります。
屋外アンテナと同調型カプラーなどを使用して確実に受信出来る環境にしてください。


画像: 18   PERSEUS受信機でJJY符号をWaterfallで表示させた   中心が40kHz

実際に受信している様子を動画で紹介するなどの用意が出来れば、より理解されると思います。
筆者は午前と午後の2回受信している動画を用意しました。 電波時計も一緒に撮影し、
受信時間が分かる様にしました。
期間限定の受信報告数が公表されていますが、1年を通すと海外からの分を含めて1000余りではないでしょうか。
県別に見ると報告が無かった県もあり、興味深いです。

周  波  数
1
2
3
4
5
6
7
8
9
Φ
海外
40kHz
234
37
32
11
12
8
46
14
3
20
39
60kHz
156
41
45
19
18
34
23
21
4
15
29
表:    1999年6月10日から2020年1月30日  エリア別の受信報告の受領数   NICT資料より

周  波  数
国  内
海 外
総 合 計
40kHz
417
39
456
60kHz
376
15
391
表: 2    国内と海外からの合計数

受信報告書の出し方の詳細は、文末に記載しているURLでご覧ください。



他の応用例
JJY専用受信機として使う以外にも使い途があります。
電波時計を使用している方は誰しも経験していると思いますが、時刻補正が出来ないことに直面します。
原因として40kHz/60kHz標準電波の伝播状態、時計周辺のノイズの影響、設置場所が送信所方向に向いていない事が考えられます。
時刻補正をする時間帯は機種にもよりますが、周辺ノイズが少なくなる深夜から早朝帯が多いようです。
受信モジュールを常時動作させることで、時計の設置場所周辺のノイズによる誤動作が原因なのか、
電波が弱いからなのかの判断が出来ます。
LEDが1秒毎に点滅する具合である程度判断は付きますが、オシロスコープでタイムコード出力をモニターすれば動作状況はより分かりやすくなります。
実際に使用してみると、室内のノイズが多いことに再認識させられます。
また周辺に建物が無い公園でも意外とノイズがあり(地中に電線が埋設されている場所もあります。)、ノイズ源探索にも役立つかも分かりません。

電波時計の感度が悪いのではないか? と考えている人に・・・

よほどいい加減なメーカーで無い限り感度的には問題は無いと思いますが、感度が悪いと考える原因に
時刻補正が取れず正確な時刻が表示されないと言うのが多いと感じます。
室内では駄目で窓際か屋外では補正できる場合は、時計周辺のノイズの影響も考えられます。
また、鉄筋構造の建物内は影響を受けやすいし、中には電波時計を送信所方向とは違う向きに設置している例もあります。
電波時計には時刻補正が出来たか出来なかったかの表示しか無いので、使用者にはそれ以上の情報を把握することは出来ません。


※業務機ではJJY信号に常時同期し、日付・時刻表示以外の各種情報と5MHz / 10MHzのJJY信号に常時同期した安定な標準周波数が得られる製品もあります。  現在は製造中止になっています。




画像:19     日本通信機 7572B JJY 時刻・周波数同期受信機 ルビジウム発振器内蔵


出力波形を観測してみよう!
出力端子にオシロスコープを接続すればさらに受信状態が詳しく分かります。
最近安くなってきた小型オシロスコープの購入を検討するのも良いかと思います。


画像: 20    電波状況が良い場合はこんな波形が得られる
1秒パルスと短いパルスが存在しているのが分かる。 ※ 横の1マスは1.2秒です。
※タイムコードを参照しながらオシロスコープの波形をみると、1つ1つ信号の意味(役割)が良く分かります。

 
画像:21    画像: 22        状況が悪いと波形が出力されないので、時刻補正などが出来なくて異常な表示になる事もある。

アナログ信号と違い、0と1のデジタル信号なので出力が無いと正常動作になりません。
この様な受信状態の時に電波時計の設定された受信時間が重なると補正が取れません。
通常と大きく異なる波形が出力されると、マイコン部分が誤動作して時計の表示がおかしくなる原因になるのでは無いかと考えています。
掲示板などで電波時計が受信出来ない、時間が狂う、地震が来るなどの書き込みを見ることが多いのですが、電波時計には時刻表示しかないので
受信状況を確認することが出来ません。
この受信機で電波が届いていないのか、周辺にノイズがあるのかがある程度分かるので時刻補正で悩んでいる方は製作をお勧めします。
※文末に記載した筆者のホームページではノイズの影響でJJYのモールス符号が変化した受信音が動画で紹介しています。

設置した電波時計/受信機が受信しづらい時の対処方法
最初にするのは40kHz/60kHzの送信所方向に電波時計/受信機を設置しているかの確認です。
窓際でも受信しづらい場合は、同調型バー・アンテナなどを利用する方法があります。


同調型バー・アンテナ/カプラの製作    


画像: 23       完成した同調型バー・アンテナ兼用カプラ




画像: 24     受信機に近づけて使う


ラジオ用のフェライト・ロッドを使う場合、同じ規格の物を揃えるのに苦労する事があります。
今回は入手しやすいパソコンのケーブルなどで使われているノイズ吸収用のコアを利用しました。
外部バー・アンテナとして使う以外に、大きなアンテナをつないで同調型カプラにも使えます。



画像:25         北川工業 SFC8( 2分割スリーブフェライトコア )を使用しました。
中身のフェライトを取り出し、5本並べた状態

角ばった形状のため、そのままでは線を巻きにくいのでパイプに入れて使用しています。
パイプ( 外径:25mm    内径:21mm )に1次側は0.23mmポリウレタン線を線幅60mmに巻きます。
2次側は線幅5mm巻きました。  パイプ内にフェライトがピッタリ入ります。


同調周波数
インダクタンス
Q値
    
40kHz
コア無し    517.6μH
コア有り    6.446mH
コア無し    15.9
コア有り    173

表: 3     
エヌエフ回路設計ブロック ZM2376を使い40kHzで測定しましたが、秋月電子通商で販売しているDE5000の100kHzレンジでも
ほぼ同じ結果が出ます。


重要な部品選び
同調用コンデンサは容量さえ合っていれば良い訳では無く、適切な物を使わないと性能が得られません。

  
画像: 26                        画像:27      
いろんなコンデンサがあるが・・外観は同じだけど・・
同調用に使う場合は、温度特性と高周波帯での性能が良い頭部分が黒くなっている物を選ぼう!
黒くなっていないのは高周波帯で想定した性能が得られないので要注意です。



画像: 28       40kHzに同調するようにコンデンサと微調整トリマを選定します。
事前に40kHzで容量を実測したのでトリマで調整するだけで済みました。



画像: 29       同調特性 40kHz±2kHzで約10dB低下します。


ここまでは隊長・高橋が担当

以下、室内でループアンテナの実験を担当しました。


大型ループアンテナ UZ-8CQを使った例

製作したカプラはRCAジャックが取り付けてあり、通信型受信機に接続する以外にダイポール・アンテナなどに繋いでカプラに
なります。 今回はCQ出版社のWebショップで販売中の木枠ループアンテナ UZ-8CQの1次側ループアンテナを利用してみました。
通常の使用目的と違うので、バリコンBOXの結線は以下の様に変更します。


画像: 30       UZ-8CQの配線
1,UZ-8CQ ループアンテナのL1/1次側をバリコンBOXのL2に接続する。
   ※L2/2次側とバリコンBOXのL1は何も繋がない。 同調バリコンは動作しません。
2,出力をカプラに接続する。

受信機と電波時計の受信状況を3パターンで
都内足立区の木造3階の自室でテストしました。

@受信機のみ
Aカプラーと受信機


画像:  31  


BUZ-8CQを繋いだカプラーと受信機



画像: 32   UZ8CQとカプラで受信している様子 その1



画像: 33     UZ8CQとカプラで受信している様子  その2


C電波時計


画像: 34     電波時計 カシオ DQD-110J

●2020年12月31日  

22:00 

@受信機のみ  送信所方向に向けると
受信できる。 電波時計は受信できなかった。

この時の様子を動画にしました。  JJY.mov

2021年1月2日

20:20 
Aカプラーと受信機  BUZ-8CQを繋いだカプラーと受信機で共に受信できず。

22:10 受信したりしなかったりと不安定。

•    受信機のみでは受信できず。
•    カプラー+受信機で指向性を合わせて1度受信したが安定した受信状況は長くは続かない。
•    ループアンテナ+受信機では受信はできなかった。

2021年1月3日

3:20    受信機のみで受信しているようだが不安定。

•    カプラー+受信機では指向性を合わせると一番安定して受信していた。

•    ループアンテナ+受信機ではループアンテナの向きを調整することにより受信することができた。

•    ループアンテナ+電波時計で電波の受信が完了した。

13:00

•    受信機のみで受信。

•    カプラー+受信機では受信できなかった。

•    ループアンテナ+カプラー
受信機では安定して受信した。

•    ループアンテナ+電波時計は5分程観察したがすぐには受信できなかった。10分位放置していると受信が完了していた。

受信実験の考察

@受信機のみ

受信機の向きが受信感度に大きく影響する。
アンテナのフェライトを送信所の方角に向けると良い。
窓の近くが受信しやすい。

Aカプラーと受信機

カプラーのみでは指向性が送信所の方向と異なると、受信状況が不安定に。
方向が合えば問題なく受信できた。
※指向特性がシャープなのかも分かりません。

BUZ-8CQを繋いだカプラーと受信機

ループアンテナの向きを送信所の方向に合わせれば、カプラーと受信機は向きに関係なく受信することができる。

C電波時計

受信機で電波を受信しているところでも受信が難しい。

以上の結果から、カプラーとループアンテナはそれぞれ受信状況に影響を与えることが分かりました。
特にカプラーのみではシンプルで小型で取り回しも効くので普段使用するにも有効だと言えます。
ループアンテナは、JJYの電波のみでなくノイズもキャッチしているのではないかと感じる場面がありました。

家にある電波時計が卓上で向きを変えられるものであればカプラー単体を、壁掛けなどで取り外したり向きを変えるのが難しい場合にはUZ-8CQを使用するのが良いように思います。

また、時間によっても受信状況が変わりました。
これはその場に影響してくるノイズが時間帯によって変わっているからだと考えられます。
電波時計はそれだけで正確な時計と思いがちですが、正常に受信できていなければその機能は発揮できません。
Waveスイッチなどで手動で受信する際には、時間帯や送信所の方向など、受信状況を意識する必要があるようです。

その際に、今回製作したJJY受信機があると即座にその場の受信状況がわかるので役に立ちます。
電波やノイズは目に見えませんが、道具があれば部屋の中で電波状況の良い場所を探すのに有効です。


参考資料・文献など

J J Y標準電波について詳細は 国立研究開発法人  情報通信研究機構  JJY標準周波数局 https://jjy.nict.go.jp/index.html
    受信報告書の送付方法については、URL内の資料室にあります。

         https://jjy.nict.go.jp/QandA/index.html

受信モジュールの仕様書
   C-MAX Time Solutions GmbH社 CME6005    http://hotspot-tanken.club/mpl/jjy/CME6005-AN001-A1-1.pdf
   セイコーNPC(株) SM9501A    http://www.npc.co.jp/wp-content/uploads/9501a_nc0304b.pdf

● フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』  https://ja.wikipedia.org/wiki/JJY
     JJYのタイムコードについて記載されています。

●筆者のホームページでは、記事では紹介できない実際に受信した際の動画もあります。
   http://hotspot-tanken.club/mpl/jjy/40k_rx.html
 実際に室内、屋外で受信した動画もありますので、ぜひご覧ください。






原稿分はここまで


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誌面では動画の説明が出来ないので、記載しているURLにアクセスしてください。
説明文は重複している部分があります。




実際に製作した120 X 10mmフェライト5本のバー・アンテナを使用した動画を紹介します。 

●室内でバー・アンテナを使った場合、使わない場合の比較  こ こをクリックしてください。 

●さいたま市大宮区にある氷川神社の参道、遊歩道で受信した様子 ここをクリックしてください。

ノイズの影響で、こんな受信例も・・・・気が付くかな?
●屋外でも意外にノイズが多い! 広い公園でもノイズが・・    ここをクリックしてください。 
    ※さいたま市大宮区にある氷川神社の参道、遊歩道で受信
   
3台目の動画 SVID_20201025_031509 MP4形式     

室内で受信テストしている動画 → → → ここをクリックしてください。 MP4形式  後半はモールス信号でJ J Y と2回アナウンスしています。

JJYモールス信号を聞くときにオシロスコープの画面を大きく見やすくした例  → → →  ここをクリックしてください。 MP4形式 


動画を見ることで、周辺ノイズや電界強度の様子を把握するのに受信機の必要性が理解できるのでは無いかと思います。


2020年12月30日に完成したMODEL JJY-4060HEXA 60kHzを受信した動画   ここをクリックしてください。

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202 X 25 X 10mm フェライトを使った同調式バー・アンテナを作る!   
愛称:JJY如意棒40k-202




外径:35mm / 長さ:240mmの パイプを使用        両端から60mmの位置に穴を開けて0.45mmUEW線を巻く   コイル幅:120mm

周 波 数 / k H z
インダクタンス / 空芯 mH / フェライト有り mH
Q 値 / 空芯  / フェライト有り
40.0
500.27μH / 7.994mH
39.8 / 332
60.0
500.04μH / 8.050 mH 54.4 / 343

NF回路設計ブロック ZM2376  LCRメーターでの実測値
120X10mmフェライト5本タイプよりもQ値が高く高性能!!


40kHzに同調しているか確認してからパイプ内に収納し両側にキャップを取り付けて完成!



その後、カプラーにも使える様にBNCコネクターを取り付けました。

● バー・アンテナを少し大きい物に交換するには?
バー・アンテナ( 大きさ 50 X 7 X 厚さ3mm )が小さいので、少しでも感度が上がるのを期待して大きい物に交換します。
バー・アンテナを一回り大きくしますが、インダクタンスは同じにします。

まずは、40kHzで測定したインダクタンスとQ値の実測値  1.466mH  Q値:101.4


kHz
mH
Q値
kHz
mH
Q値
35.0
1.464
92.6
50.0 1.472 115.5
36.0
1.465
94.4
51.0 1.473 116.6
37.0
1.465 96.2
52.0 1.474 117.7
38.0
1.465 98.0
53.0 1.474 118.7
39.0
1.466 99.7
54.0 1.475 119.7
40.0
1.466 101.4
55.0 1.476 120.6
41.0
1.467 103.1
56.0 1.476 121.5
42.0
1.467 104.6
57.0 1.477 122.4
43.0
1.468 106.2
58.0 1.478 123.2
44.0 1.469 107.7
59.0 1.479 124.0
45.0 1.469 109.1
60.0 1.479 124.7
46.0 1.470
110.5
61.0 1.480 125.4
47.0 1.470 111.8
62.0 1.481 126.1
48.0 1.471 113.1
63.0 1.482 126.7
49.0 1.471 114.3
64.0 1.483 127.4
NF回路設計ブロック ZM2376で測定



80 X 10mmフェライトに巻いて、オリジナルと大きさの比較
※実測値は1.466mHですが同調回路はチップ・コンデンサ1個で形成されていて、それほどシビアでは無いので±10μH位の誤差は気にしなくてもOK です。





フェライト断面の大きさ比較


● 鉄筋構造の建物内で受信がしづらい場合には外部アンテナを!

120 X 10mmフェライトを5本使った大きな外部バー・アンテナを作る!   



バー・アンテナ  大きさの比較
上:120 X 10mmのフェライト5本使用      中:80 X 10mm    下:50 X 7 X 3mm
考え方:ある程度の線を巻いて測定すれば難しくない!
フェライトの仕様はメーカー資料が無い場合は難しく考える必要は無い。
実際に巻いて適切に測定すれば解決!
フェライトは同じメーカーで長さと径が同じ物を使用する事。

バー・アンテナ作成について最初から完成までの手順を説明します。
フェライトは5本で無くても手持ちの数で試してみましょう。


バラバラにならないように輪ゴムで縛る


がたつき防止で箸などを利用して中央に6 - 8mm程度の丸棒を入れる。


両端をビニル・テープで固定


外径35mmのパイプを使用     長さ:180mm    端から40mmの位置に穴を開けて0.45mmUEW線を通す
UEW線はパイプから10cm程度出せる長さにする


コイル幅:100mm    巻き 始め、巻き終わりは必ずエポキシ接着剤でほどけないように固定する事!
これだけ巻くと腕が痛くなる!

完成したコイルのインダクタンスを測ってみる
DE5000    10kHz での測定値 インダクタンス:403.6μH      Q値:10.1
DE5000   100kHzでの測定値 インダクタンス:403.0μH      Q値:77.4


UEW線を片側に寄せて外に出し、フェライトがガタつかないように緩衝材で巻いてからパイプ内に
端から40mm(つまり中心部)でスポンジなどで固定する。
この状態でインダクタンスを再測定
※フェライトは周波数特性があるので、本来は使用する周波数で測定するのが筋である。
現実には高い周波数で測定できるLCRメーターは数十万円以上するので同じコイルを使って
自分のLCRメーターとの測定差をあらかじめ把握しておくと便利。   こ の作業はコイルを巻くときにします。

NF 2376 測定周波数 40kHzでの測定値 インダクタンス: 3.544mH      Q値:212
DE5000     10kHz での測定値 インダクタンス:3.55mH      Q値:78
DE5000   100kHzでの測定値 インダクタンス:3.58mH      Q値:193
※この中では40kHzで測定したNF 2376での値を採用

インダクタンスを基に同調用コンデンサの値を求める
※便利な計算サイトを使おう!
http://www15.plala.or.jp/gundog/homepage/densi/keisan/lc/lc.html

インダクタンス 3.544mH = 3544μHを入力して キャパシタンス値を適当に入れて計算させ40.00kHzに近づく値を求める。   
4500PFでは39.85kHz    4400PFで40.3kHzとなる。
コンデンサ1つでこの容量は実現出来ないので、いくつかの容量を組み合わせる。
3900PFと470PF  計4370PFを用意する。
※実際に組み上げると誤差が出るので120PFトリマで微調整が出来るように考慮
120PFトリマは最大120PF  最小10PF程度で動作はポリ・バリコンと同じ


ここで使うコンデンサも表記してある値では無く全て実測して選別するのが重要
トリマは予め半分の容量60PF程度にして、プラス側、マイナス側のどちらでも使える様にしておく。
今回使用したのは表記3300PF( 実測 3330PF )と表記1000PF( 実測993PF ) 計4323PF
それに120PFトリマを並列に半田付け


    図:      同調回路  概念図

同調部のコンデンサは予め計算サイトで求めた値に近い容量を組み合わせて目的の周波数に合わせる。
C1  メインの容量 上記例ではC1+C2が3900PF
C2  サブの容量 上記例で計3900PFなので入手しやすい容量で決定
TC1    最終的な微調整用 最大120PF程度




予定通り40kHzに同調しているか、スペクトラム・アナライザで確認!      39.986kHzにして終了

ここでトリマを廻して40.00kHzちょうどに設定出来ない場合は以下の手順
40.00kHz以上の場合    470PFを510PFや560PFなど大きな値に変更する
40.00kHz以下の場合 470PFを390PFなど小さな値に変更する。
それぞれを予め実測しておけば仕上がり時の誤差も小さくなる。

重要な部品選び
同調用コンデンサは容量さえ合っていれば良い!訳では無いので、適切な物を使わないと性能が得られない!

  
いろんなコンデンサがあるが・・外観は同じ 色も同じだけど・・
同調用に使う場合は、頭部分が黒くなっている物を選ぼう!
温度特性と高周波帯での性能が良い
黒くなっていないのは低周波帯か電源回路部分に使うとか用途を考えて選択しないと想定した性能が得られない。



パイプ内に収納して両側にキャップを取り付けて完成!

コイルが剥き出しなので、コイル部分には金属が当たるのを避ける。
傷防止のため、ぷちぷちを巻くのがベスト

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↓ ダイポール・アンテナなどに接続して使用する40kHz専用アンテナ・カプラー  ↓
屋外などで木と木の間に張った電線アンテナにも有効です。


BNCコネクターから入力し、電磁結合で使います。

カプラーを使っている動画 遠ざけると受信出来なくなる様子     ここをクリックしてください。



展示用 JJY-4060HEXA   紹介ページ



http://hotspot-tanken.club/mpl/jjy/jjy4060.html

都内・中野区で60kHz九州局受信の動画もあります。   2号機、ローコスト機の製作準備をしています。



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