電 波 時 計 = 4 0 k H z - J J Y 受 信 機
記事随時更新中 最終更新日:2021年1月14日
電波時計の信号(40kHz/60kHz) を 聞 こ う!
40kHz JJY受信機の製作記事が紹介される予定です。
CQ hamradio誌別冊 QEX Japan誌 No.38 2021.2発売号に掲載予定
40kHz JJY専用受信機の製作 その他
画像:1 今回製作した受信機で実際に受信し、受信確認証をもらいました。
受信日:2020年10月22日 確認証 Vol.2 No.222
画像: 2 自作したJJY専用受信機
左:40kHz専用 右:Sメーター搭載40kHz/60kHz両対応
市販されている電波時計には信号音が聞ける機能はありません。
40kHz電波時計受信モジュールを利用した超簡単な受
信機を作りました。
簡単な工作なので、みなさん作って友達に自慢しましょう!
画像:3
は じ め に
標準電波を基に時刻修正を行う時計は40年以上前から利用されています。
今ではいろんなメーカーが特色有る長波、GPSを利用した電波時計を販売しています。
この記事は電波時計の時刻を修正する長波標準電波( 40kHz/60kHz )の信号を聞いてみようというものです。
この標準電波はJJYと言うコールサインでお馴染みですが、信号を聞くには40kHz/60kHzの長波帯をカバーしている通信型受信機やSDR受信機が必要です。
また、長波帯のアンテナも結構大がかりになるのではないかと思われる方も多いと思います。
そこで電波時計受信モジュールを使って、安価で簡単にJJY信号の音を聞くことができる受信機を製作してみました。
Sメーターも時刻表示部分も無い1秒毎のピー、ピー音と毎時二回のモールス音を聴く為だけの受信機です。
併せて電波時計が時刻補正が取れない場合に、横に置いて受信状況を補完するバー・アンテナも製作しました。
本機の主な特徴
●1秒毎のピー、ピー音と毎時二回のモールス符号を聴く為だけの受
信機です。
●受信した電波時計のタイムコード信号をオシロスコープで観測
できる端子付き!
※毎時15分と45分の40 - 48秒に呼出符号である J J Y
がモールスで2回送信されます。
●60kHz用、40kHz/60kHz両用のモジュールでも同様に製作出来ます。
●応用例として電波時計の周辺ノイズや到来する伝播状態のチェックができます。
画像:4 Microtelecom
社 PERSEUS受信機で40kHz-JJY信号を受信している画像
画像: 5 モジュールのタイムコード出力をオシロスコープで観測
もう少し高級なオシロスコープで観測する方が見やすいけれど・・・
左から3,4つ目の波形はパルス幅が少し短い 右側:1秒毎にパルスが出ている
製 作 し よ う !
電波時計受信モジュールを利用して2時間ほどで製作できるJJY受信機です。
筆者は都内在住なので東日本向けの40kHz版を使用しましたが、西日本向けの60kHzでも同様の考え方でOKです。
また、40kHz/60kHz両対応の受信モジュールでも問題なく使えます。
このモジュールを入手出来るかが一番の肝になりますが、液晶が見えなくなった故障品から取り外しても良いと思います。
受信機にするには、電波時計モジュールは常時動作させなくてはいけません。
今回のモジュールではH端子に相当し、端子をGNDに接続しないと受信状態になりません。
( 機種により、POやPONの端子名になっている事もあります。)
40kHz/60kHz両対応モジュールでは、40kHz/60kHz切り換え端子があります。
バー・アンテナは1本なので、同調用コンデンサを切り換える事で両方に対応しています。
多くの機種で端子がLレベルの時に40kHz 、Hレベルで60kHzにしている様です。
※市販の電波時計は電池を装着すると受信を開始します。 JJY信号を捕らえるか、捕捉に失敗したらモジュールの電源を切断する様になっています。
また、強制受信のスイッチにより再度受信動作になります。
ピー、ピーと1秒毎の音と毎時15分と45分に流れるJJYのコールサインを出すだけなので、発音回路に電子ブザーを使いました。
※圧電スピーカーは発音回路が無いので使えません。 簡単に済ますなら、迷わず電子ブザーを使いましょう。
モジュール出力(正論理)とLED,ブザー間にトランジスタ1石の駆動回路を入れています。
ブザーは3V動作でも結構大きな音がするので抵抗で動作電圧を下げるか、ブザーのケース穴をテープで塞ぐなりして音量を調整します。
欠点はブザーの発振周波数が約3kHzと高く、大きな音量では耳障りになる事です。
普段はLEDだけにして、点滅が規則正しい時にブザーをスイッチでONにするのが良いです。
本来は800Hz付近の正弦波回路を出力信号でON/OFFして聞きやすくしたいのですが、誰でも簡単にと言う観点から今回は電子ブザーで
代用しています。
電子ブザーを購入する際は消費電流を確認しましょう。 小さくて便利だなと思っていたら電流が多く流れて電池は直ぐに無くなります。
音量は意外に大きいので、直列に抵抗を入れて動作電圧を下げると良いと思います。

画像:6 電子ブザー 村田製作所 PKB24SPCH3601
●電子ブザーの一例 村田製作所 PKB24SPCH3601
■発振周波数:3.6kHz(電源DC12V時)
■直径:24.3mm
■厚さ:9mm
■定格音圧:90dB(電源DC12V時, 10cm)
■動作電圧:DC 3.0~15V
■消費電流:1.8mA/DC2V時 2.8mA/DC3V時
部 品 表
部 品 名
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メ ー カ ー・型 番 な ど
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購 入 先
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そ の 他
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電波時計モジュール
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JJY-3850-40k 40kHz版 または MJU823RCC 40kHz/60kHz両対応版 または電波時計から取り外した物
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aitendoなど
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ポリカーボネートケース
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117-M(PC) 94X64X22.6mm
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秋月電子通商
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両面スルーホールユニバーサル基板
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P-12979 ( 2X8cm )
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秋月電子通商 |
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電子ブザー
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村田製作所 PKB24SPCH3601 24mm
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秋月電子通商 |
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電池ボックス
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単4x2本 リード線・フタ・スイッチ付
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秋月電子通商 |
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ピン・ジャック
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色は各自の好みで選ぶ
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秋月電子通商など |
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3Pトグル・スイッチ
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サトーパーツ、ミヤマなど
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秋月電子通商など |
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単4電池
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2本 アルカリ仕様
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秋月電子通商など
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配線材料
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色は各自の好みで |
秋月電子通商など |
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ネジ・ラグ端子類
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2mm径用
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2SC1815など
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NPNタイプなら何でもOK 各自の好みで |
秋月電子通商など
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LED
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色と大きさは各自の好みで |
秋月電子通商など
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50kΩ半固定ボリューム
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東京コスモス電機 GF063P B503Kなど
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秋月電子通商など
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オシロスコープ
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出力波形を観測するのに1台あると便利です。
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表:1 使用した部品表
画像: 8 受信モジュール JJY3850-40k
画像:9 基板上の黒い部分に受信用ICが入っています。 左端上は40kHz水晶振動子
画像:10 ピン接続:裏側の印字部分に注目!
V・・+3V G・・GND P・・GND
に接続 H・・VCC/+3Vに接続しないと常時受信動作しません。
T・・出力 / 負論理 無印ピン・・出力 / 正論理
画像:11 基本回路図
原稿分はここまでです。
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実 際 に 受 信 し て い る 様 子 は 動 画 で ご 覧 く だ さ い 。
※この動画を基に、受信確認証をもらいました。
ここをクリックしてください。 MP4形式
受信日時:2020年 10月 22日 午前 7時 14分 32秒 - 午前 7時 16分
21秒まで 時刻は電波時計でモニター
※ 動画の容量を考慮してJJYモールスが入る前後1分を中心に撮影しています。
ここをクリックしてください。 MP4形式
受信日時:2020年 10月 22日 午前 7時 17分 35秒 - 午前 7時 17分
45秒まで 時刻は電波時計でモニター
※ アンテナなどは同じ条件で、2台並べて撮影
夜に受信した動画 ここをクリックしてください。 MP4形式
受信日時:2020年 10月 22日 午後 7時 44分 58秒 - 午後 7時 46分
12秒まで 時刻は電波時計でモニター
※ 動画の容量を考慮してJJYモールスが入る前後1分を中心に撮影しています。
受信地:東京都中野区
SINPO:55555
備考:信号強度メーターはありませんが受信動画の様に受信状態は信号強度も十分に有り、安定した受信状態にあると考えられます。
※信号強度が弱い場合は、出力波形が出ないか乱れたりします。
実際の受信状態からSINPOコードは、55555にしました。
信号強度/Signal Strength 混信/Interference 雑音/Noise 伝播障害 Propagation
Disturbance 総合評価/Overall Rating

動 画 で 使 用 し た 受
信 機 材 に つ い て
● 40kHz専用受信機 電波時計モジュール JJY3850-40kを使用 単四電池2本で動作
※ JJYモールス音が聞こえるように発音回路を追加
● 15m高 アクティブ・アンテナ J-310 / 2N5109を使用 電源電圧:DC12V
● 40kHz専用アンテナ・カプラー ( アクティブ・アンテナなどと併用 )
● PIXEL NR525W 時刻確認用の電波時計
● 小型オシロスコープ DSO NANO PRO
※受信機として使用する場合は、外部アンテナとアンテナ・カプラーを使用して受信性能を確保しています。
実際に製作した120 X
10mmフェライト5本のバー・アンテナを使用した動画を紹介します。
●室内でバー・アンテナを使った場合、使わない場合の比較 こ
こをクリックしてください。
●さいたま市大宮区にある氷川神社の参道、遊歩道で受信した様子 ここをクリックしてください。
↓↓↓↓↓ノイズの影響で、こんな受信例も・・・・気が付くかな?
●屋外でも意外にノイズが多い! 広い公園でもノイズが・・ ここをクリックしてください。
※さいたま市大宮区にある氷川神社の参道、遊歩道で受信
3台目の動画 SVID_20201025_031509 MP4形式
室内で受信テストしている動画 → → → ここをクリックしてください。 MP4形式 後半はモールス信号でJ J Y と2回アナウンスしています。
JJYモールス信号を聞くときにオシロスコープの画面を大きく見やすくした例 → → →
ここをクリックしてください。 MP4形式
動画を見ることで、周辺ノイズや電界強度の様子を把握するのに受信機の必要性が理解できるのでは無いかと思います。
2020年12月30日に完成したMODEL JJY-4060HEXA 60kHzを受信した動画 ここをクリックしてください。
202X25X10mm
フェライトを使った同調式バー・アンテナを作る!
愛称:JJY如意棒40k-202

外径:35mm /
長さ:240mmの
パイプを使用
両端から60mmの位置に穴を開けて0.45mmUEW線を巻く コイル幅:120mm
周 波 数 / k H z
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インダクタンス / 空芯
mH / フェライト有り mH
|
Q 値 /
空芯 / フェライト有り
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40.0
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500.27μH /
7.994mH
|
39.8 / 332
|
60.0
|
500.04μH /
8.050 mH |
54.4 / 343
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NF回路設計ブロック ZM2376 LCRメーターでの実測値
120X10mmフェライト5本タイプよりもQ値が高く高性能!!

40kHzに同調しているか確認してからパイプ内に収納し両側にキャップを取り付けて完成!

その後、カプラーにも使える様にBNCコネクターを取り付けました。
●
バー・アンテナを少し大きい物に交換するには?
バー・アンテナ( 大きさ 50 X 7 X 厚さ3mm )が小さいので、少しでも感度が上がるのを期待して大きい物に交換します。
バー・アンテナを一回り大きくしますが、インダクタンスは同じにします。
まずは、40kHzで測定したインダクタンスとQ値の実測値 1.466mH Q値:101.4
kHz
|
mH
|
Q値
|
kHz
|
mH
|
Q値
|
35.0
|
1.464
|
92.6
|
50.0 |
1.472 |
115.5
|
36.0
|
1.465
|
94.4
|
51.0 |
1.473 |
116.6
|
37.0
|
1.465 |
96.2
|
52.0 |
1.474 |
117.7
|
38.0
|
1.465 |
98.0
|
53.0 |
1.474 |
118.7
|
39.0
|
1.466 |
99.7
|
54.0 |
1.475 |
119.7
|
40.0
|
1.466 |
101.4
|
55.0 |
1.476 |
120.6
|
41.0
|
1.467 |
103.1
|
56.0 |
1.476 |
121.5
|
42.0
|
1.467 |
104.6
|
57.0 |
1.477 |
122.4
|
43.0
|
1.468 |
106.2
|
58.0 |
1.478 |
123.2
|
44.0 |
1.469 |
107.7
|
59.0 |
1.479 |
124.0
|
45.0 |
1.469 |
109.1
|
60.0 |
1.479 |
124.7
|
46.0 |
1.470
|
110.5
|
61.0 |
1.480 |
125.4
|
47.0 |
1.470 |
111.8
|
62.0 |
1.481 |
126.1
|
48.0 |
1.471 |
113.1
|
63.0 |
1.482 |
126.7
|
49.0 |
1.471 |
114.3
|
64.0 |
1.483 |
127.4
|
NF回路設計ブロック ZM2376で測定
↓ ダイポール・アンテナなどに接続して使用する40kHz専用アンテナ・カプラー ↓
屋外などで木と木の間に張った電線アンテナにも有効です。

BNCコネクターから入力し、電磁結合で使います。
カプラーを使っている動画 遠ざけると受信出来なくなる様子
ここをクリックしてください。
展示用 JJY-4060HEXA 紹介ページ

http://hotspot-tanken.club/mpl/jjy/jjy4060.html
都内・中野区で60kHz九州局受信の動画もあります。
※2021年1月中旬から JJY-4060HEXA ( Rom Ver.2 )とJJY-4060mini( Rom Ver.3 )の製作準備を始めます。
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